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十日市場の大ケヤキ Zelkova in Yamanashi

子宮の入口のごとく洞の中に根が何本も伸びている。
堂々たる根張りの大ケヤキ、今日も道祖神さまが見守っている。

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シンボル:子孫繁栄
樹種:ケヤキ(ニレ科)落葉高木
学名:Zelkova serrata
◎樹齢/500年
◎樹高/24メートル
◎幹周り/9.8メートル
◎所在地/山梨県南アルプス市十日市場 神明社・石動社 
(2015年3月5日撮影)

◎ご神木の立つ場所
神明石動社(しんめい・いするぎ・しゃ)
ご祭神:天照大神、可美眞手命(うましでのみこと。物部氏の祖)

こじんまりとした境内に大ケヤキがそびえている。生々しい、あまりに生々しいお姿である。幹の中心を割るように大きな洞があり、それは子宮の入り口のような形状をしているではないか。人間の肉体に似た、こうした姿の木と会うとき、私は木もまた"生き物"なのだと妙に感動する。小さな私の体と大きな木の体に共通する部分があるということに自然の神秘を感じてしまうのだ。洞の中を覗くと、上から下へと白く細長い枝が何本も生えているのが見えた。古木になると洞の内側に根が伸びてくることがあるという。大地に伸びる力を失ったのかどうかはわからないが、洞の中の根がこの古木が生きながらえる力となっているそうだ。「まだまだ生きるぞ!」と内から叫んでいるようだ。上部で2本に分かれた枝は若々しい。洞から切り裂くように幹が割れ、二又に分かれて空へと伸びているのだ。これも連理の木といえようか。1つの根が途中で2本になって成長する木は縁結びのご利益があるという「連理」の姿をとっている。2本の枝のダイナミックな上昇感もさることながら、根張りもまたすばらしい。板根状(板のようにやや平らな形)になって広がり、大地をどっかりとつかんでいる。堂々と立っているのに少し優しげに見えるのは、ケヤキがその形をさらして女性性を放っているからだろうか。身をよじるような姿で立ち、民家のすぐそばまで枝が伸びているが近所からは苦情もないという。地元では「しょういちさん」と呼び親しまれているこの神社。ケヤキもまた大らかな気持ちで見守られているのだろう。ケヤキの正面には赤い鳥居があり、道祖神が祀られている。家内安全、子孫繁栄の守り神さんとご神木。境内はすがすがしい気が流れる、なんとも心地いい神社だった。



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